出典:原泰久(著)キングダム第797話
「キングダム」第797話の中で、秦軍は非常に小さな勝利を手に入れました。
キタリが率いる山の民の別動隊は趙の大軍から囚われている秦の兵士たちを見事解放しました。
今回趙との大きな戦争で秦は六大将軍を二人使いましたが、これくらいの勝利しか得られなかったです。
正直、キタリが苦労して手に入れたこの勝利は趙との戦争において何の意味もありませんが、秦国全体にとっては意味があります。
囚われている秦軍の中に壁将軍がいますので、彼を失えば、秦の上層部はある程度の損害を受けます。
壁将軍は秦王、嬴政や昌文君が非常に信頼している男なので、壁将軍が死んでしまったら、その二人は重要な部下を失います。
非常に小さな勝利だとは言え、キタリの部隊や壁将軍たちが無事に帰還できたのはいいことです。
もし壁将軍たちの救出でキタリの部隊まで全滅したら、秦軍が受ける被害は更に広がります。
もしものことがあれば、秦王や昌文君だけではなく、秦六大将軍の一人、楊端和将軍も大事な側近を失います。
戦争で惨めに大敗したのは受け入れがたい事実ですが、とにかく現状において秦軍は一つの勝利があって、キタリは彼女の仕事を見事成し遂げました。
この後秦がどう動くのか、秦が何を始めるのか、秦の命運は将校たちではなく、秦の上層部が決めます。
それではこれから最新話の感想や徹底考察をお届けいたします。
最新話感想
キングダムの最新話、第797話の中で、秦の上層部は六大将軍の一人、王翦将軍が大敗した事実を知りました。
秦の上層部は中華統一を強く願っているので、正直今回の大敗を受け入れにくいのですが、誰も何も言えませんでした。
李牧が怪物の司馬尚や青歌軍を隠し続けていたことは誰も予想できないことなので、上層部が今回の大敗を兵士たちのせいにするのは間違っています。
今更上層部が兵士たちを責めても、兵士たちに罰を与えても、結果は何も変わりません。
このような結果を兵士たちだって受け入れられないのですが、今回の大敗で秦はいよいよ中華統一の戦略を見直さなければなりません。
今回の大敗で秦の上層部は無理に趙を攻めに行くのが大きな間違いであることを認識できたはずです。
大国である秦は兵士、食料や馬などを容易に補充できますが、李牧を確実に討ち取れるほどの策がなければ、何度挑戦しても同じ結果になります。
恐ろしい戦略頭脳を持っている王翦将軍でさえ大敗したので、確実に李牧を討ち取り、確実に趙を攻めに行ける将軍や策は存在しないのです。
中華統一を望んでいる現秦王、嬴政は当然一刻でも早く趙を攻めに行きたいのですが、もう一回大敗をすれば、今度は他の国が秦を攻めに行く時です。
秦が他の国を狙っている時に、他の国も秦を狙っているので、趙との戦争で消耗をすればするほど、他の国が有利になっていきます。
他の国を警戒しつつ、中華統一を完成させるために、秦は中華統一の方針を見直さなければなりません。
最新話徹底考察
☆最悪の事実
秦にとって趙や李牧との戦争で再び大敗を喫したのは受け入れがたい最悪の事実です。
多くの兵士や将校が犠牲となり、全ての努力が無駄になったのはもちろん、今回の大敗で秦が心配すべきことが一つ増えました。
それは他の国の態度です。
遅かれ早かれ、今回秦が大敗した事実や戦争の全貌は他の国に届きます。
他の国に届いた時、他の国は司馬尚や青歌軍の強さを知り、秦の六大将軍の一人、王翦将軍の弱点を掴みます。
これは秦にとってとても厄介なことです。
司馬尚や青歌の怪物たちの強さを知れば、他の国が趙に手を出すことはありません。
趙は大国の一つなので、他の国に狙われるのは当然のことですが、大勢の怪物がいることがわかれば、誰も攻めに行きません。
李牧が司馬尚や青歌の怪物たちを持っている限り、他の国は趙ではなく、秦を狙い始めるのでしょう。
秦は戦争で多くのものを失った上に、王翦将軍の弱点が晒されましたので、他の国が秦を狙うのは当然のことです。
出典:原泰久(著)キングダム第797話
☆秦国上層部の決断
優秀な戦略頭脳を持つ六大将軍、王翦将軍が大敗した今、いくつか現実的な問題が秦の上層部に襲い掛かりました。
王翦将軍が大敗したのは受け入れがたい事実ですが、秦の上層部がすぐに解決しなければならない大きな問題は主に三つあります。
一つ目の問題、それは中華統一を続けるかどうかということです。
現状において中華統一を完成させるのはとても難しいことです。
趙や李牧を確実に攻略できる方法が見つからない限り、秦が何度挑戦しても結果は変わりません。
現時点で秦は趙や李牧を確実に攻略できる方法や策がないので、秦がどれほど中華統一を進めても、結局この夢は趙や李牧に潰されます。
二つ目の問題、それは国を攻める順番です。
もし秦の上層部が中華統一を続けたいと強く思っているのなら、これから考えなければならないのは国々を攻める順番です。
最大で最強の敵を最初に攻めに行くのは理想的なことですが、現時点で秦は趙や李牧を攻略できません。
再び趙を攻めても大敗する結果は変わらないので、今は趙や李牧攻めを諦めるしかありません。
諦めた後、秦の上層部は国々との距離や国々の規模から次の標的を選ぶしかありません。
三つ目の問題、それはどの六大将軍を使うかということです。
次の標的を決めた後、いよいよ最も大きな問題を解決する時です。
それはどの将軍で、どのような方針で攻めに行くかということです。
秦の六大将軍は誰もが恐ろしい豪傑たちですが、当然相性のいい戦い方や相性の悪い戦い方があります。
六大将軍たちの強さを見極めて、彼らに適合する方針を用意できれば、中華統一に再挑戦することは可能です。
☆秦国六大将軍の判断
遅かれ早かれ秦の六大将軍の一人、王翦将軍が大敗した事実は他の六大将軍の耳に届きます。
中華統一を続けるかどうかは秦の上層部の決定ですが、六大将軍は王翦将軍が大敗した事実に対して何かを思うはずです。
六大将軍の一人、楊端和将軍は元々戦場にいたので、彼女は当然この事実を知っています。
戦場にいた楊端和将軍は趙の力を知り、ある程度の兵を失ったので、これからすぐに大きな戦争をするのは無理です。
ですが、蒙武将軍や騰将軍は違います。
あの二人は趙との戦争に参加していない上に、戦力はほとんど失っていないので、蒙武将軍や騰将軍はいつでも大きな戦争に出られます。
どの将軍でどの国を攻めるのかは秦軍総司令、昌平君が決めることですが、蒙武将軍や騰将軍が望めば、自分で自分を推薦することは可能です。
蒙武将軍や騰将軍は百戦錬磨で、多くの戦争を乗り越えてきた豪傑たちですが、今回の仕事のプレッシャーは大きいです。
蒙武将軍や騰将軍は鋭い者たちなので、このことを知っているはずです。
秦はもう敗北を受け入れられないのです。
もしもう一回大きな戦争で再び敗北すれば、今度こそ他の国々が秦を攻め始めて、中華統一する道は完全になくなります。
秦が必要なものは勝利だけなので、もし蒙武将軍や騰将軍が戦争に出たければ、あの二人はもう準備を進めるしかありません。
そして蒙武将軍や騰将軍は何があっても勝利を手に入れなければなりません。
☆王翦将軍が必要なもの
秦の六大将軍になった以上、王翦将軍がどんな敗北を受けても、立ち上がらなければなりません。
そして今回の戦争を生き残れた以上、王翦将軍は責任を持って、次の行動を考えなければなりません。
王翦将軍は多くの戦争を乗り越えてきた豪傑なので、これくらいのことを知っているはずです。
実際、王翦将軍は既にいろいろなことを一人で考えています。
豪傑である王翦将軍は必ず今回の敗北を乗り越えられますが、彼が再出発する前に、先にやらなければならないことが一つあります。
それは誰かとじっくり会話することです。
王翦将軍は非常に複雑な男で、彼はいつも一人でいろいろ考えています。
将軍が一人で全てを考えるのは当たり前のことですが、問題は王翦将軍に会話する相手すらいないということです。
妻を失った時から、王翦将軍はずっと孤独のままでした。
亡くなった六大将軍、桓騎将軍も一人で全てを抱えていた人間ですが、桓騎将軍には彼を愛している人間が多くいますので、彼は孤独ではないのです。
王翦将軍は正真正銘孤独な将軍です。
王翦将軍がどんな理由で他人と距離を置いているのかは判明されていませんが、他人と会話しない限り、彼が一から失ったものを全部作り上げるのは難しいです。
王翦将軍を信頼している人間はほとんど存在しない上に、王翦将軍を信頼している人間もほとんど存在しないので、孤独のまま全てをやり直すのは至難の業です。
☆王翦将軍と次世代の将軍
全てを失った王翦将軍が一から全てを作りあげるのは難しいことですが、不可能ではありません。
信頼していた側近衆を全員失ったとしても、王翦将軍には次世代の将軍たちがいます。
次世代の将軍たちの才能や力を上手く利用できれば、王翦将軍は更なる高みへ到達できます。
王翦将軍が手に入れるべきものは見えましたが、現時点で次世代の将軍たちが王翦将軍の側近になるのは無理なことです。
なぜならお互いに信頼や絆などのものが存在していないのです。
次世代の将軍たちは凄まじい才能を持っていますが、その才能を全部引き出すために信頼や絆は必要です。
信頼や絆を得るのは難しいことですが、王翦将軍が会話を始めれば、いずれ次世代の将軍たちは王翦将軍に懐きます。
王翦将軍はいずれ戦場に戻りますので、次世代の将軍たちの力がなければ、彼は何もできません。
以上が今回の記事の内容でした、最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。









