出典:原泰久(著)キングダム第759話
「キングダム」第759話の中で、秦国の使節団代表、介億は怒りを抑えられず、新鄭の本殿で叫びだしました。
介億が韓王や韓国の大臣たちの前で叫ぶのは失礼なことですが、介億が怒るのは仕方ないことです。
なぜなら韓王族の韓非子は誰もが驚くようなことをしたからです。
韓非子は秦王嬴政が求めている人材ですが、彼は秦国や韓国の皆の前で堂々と使節団を無視して、言葉で秦国を侮辱しました。
秦国使節団や介億は韓国に来る前にいろいろな状況を想定し、周到なプランを用意しましたが、韓非子の侮辱的行為を介億は予想できなかったです。
予想できなかったからこそ、自分の国が侮辱された行為に対して介億は怒りの頂点に達しました。
韓王や本殿にいる大臣たちは皆介億の怒りを理解できたので、誰も介億を責めなかったです。
秦国でも、韓国でも韓非子の力が必要ですが、韓非子の言動で韓国と秦国の関係が悪化する可能性はあります。
それではこれから最新話の感想や考察をお届けいたします。
最新話感想
秦国や韓国にとって韓非子は重要な人物ですが、彼は新鄭の本殿で皆を困らせています。
韓王族である韓非子の言動は韓国の立場を現していますが、彼は容赦なく秦国の者たちの前で秦国を侮辱しました。
韓非子ほどの人物が遠慮なく秦国を侮辱したことで、韓国と秦国の関係が一気に悪化する可能性は高いです。
関係が悪化すれば困るのは秦国だけではなく、韓国も困ります。
秦国が韓非子の才能を求めていると同時に、韓国もまた秦国の軍事力を求めています。
軍事力が低い韓国が戦乱の時代で生き残るために秦国の力が必要なので、韓国は秦国と同盟が必要です。
韓国の安全や未来は全部韓非子にかかっていますが、韓非子はわがままな態度で対応していました。
韓王や韓丞相を含めて、韓国は秦国との争いを望んでいないので、これから彼らの未来は秦国の使節団と同じ、飛信隊将軍李信の答えにかかっています。
最新話徹底考察
☆韓非子と秦国
中華統一後の秦国のために、秦王嬴政は韓非子の才能を求めていますが、侵略活動を進めている秦国に対して悪い韓非子は悪いイメージを持っています。
可能であれば韓非子は秦国へ行きたくないのですが、彼はある矛盾を抱いています。
秦国や秦国の六大将軍の一人桓騎がやっていたことを韓非子はほとんど知っているので、秦国に好感を抱けないのですが、法の学者として韓非子は秦王を知りたいのです。
そして法の学者として韓非子は人の本質についていろいろ深堀したいのです。
人という生き物をもっと知るために、韓非子は秦国の皆を無視せず、皆に会いに行きました。
韓非子の行動は寧公主様を含めて、誰もが理解できないのですが、韓非子は望み通り有益な議論を始めています。
出典:原泰久(著)キングダム第759話
☆法を求める理由
矛盾を抱いているのは韓非子だけではなく、秦王嬴政もある矛盾を抱いています。
人の心に光があると秦王嬴政は信じていますが、それと同時に彼は法で国を管理したいと思っています。
これは大きな矛盾で、誰もが善人、心に光があれば法を使う必要はありません。
法は性悪説から生み出された物で、人を制限するための物でもあります。
秦王嬴政はこの二つの物を無理矢理に合わせて、新しい国を作ろうとしていたので、韓非子は秦国を気に食わなかったのです。
韓非子が言ってた通り法と性善説が同時に存在してはならない物ですが、秦王のこの行為を理解するために、一度秦王の過去を振り向かなければなりません。
キングダムにおいて秦王嬴政はすごく壮絶な人生を過ごしていた人物です。
幼少時代から成人になるまで、秦王嬴政は様々な悪を見ていました。
趙国で秦王嬴政をいじめていたゲスども、王弟成蟜、丞相呂不韋や秦王嬴政の実の母、太后は人間の悪を見せてくれました。
様々な悪を見ていた秦王嬴政は生きることや人間に対しての希望を失いましたが、彼はその同時に心が光っている人達にも出会えました。
趙国で秦王嬴政を救ってくれた紫夏、李漂、李信や心変わりをした成蟜、彼ら全員の心には光が存在していました。
心に光を持っている人たちに出会えたから秦王嬴政は人という生き物に希望を抱けましたが、心を制御しなければ、人はどこまで落ちていくのかを秦王嬴政も知っています。
韓非子は秦王嬴政と違う人生を過ごしていたので、当然その考えは理解できないのですが、性善説の秦王嬴政が法を求めるのは仕方ないことです。
☆韓非子の情報網
キングダムの最新話の第759話の中で韓非子は彼の見事な情報網を見せてくれました。
韓非子は韓国の王族なのに、彼は秦国のことをよく知っています。
秦国の蕞防衛戦から、六大将軍の一人桓騎の凶行、秦王の性善説や秦王嬴政と李信将軍のことまで、韓非子は知っています。
韓非子が秦王嬴政と李信将軍の友情まで知っていることに、秦国使節団代表の介億はすごく驚きました。
秦王と飛信隊の李信将軍の関係は極秘中の極秘情報で、秦国でもこのことを知っている人間は僅かしかいません。
秦国の六大将軍の中でもこの情報を知らない将軍は半分以上です。
ですが、韓国にいる韓非子は彼の情報網でこの情報を手に入れました。
これは非常に重大なことで、今の韓非子は秦国の情報を全部持っていると考えられます。
秦国はいまだに中華統一を目指していますので、もし韓非子は全ての情報を韓王、もしくは趙国の李牧に通報すれば、秦国の計画が破綻する可能性はあります。
そして韓非子は頭のいい人間なので、彼に時間を与えれば秦国への対抗手段を思いつける可能性もありますので、秦国の皆はすぐに彼を勧誘しなければなりません。
すぐに韓非子を勧誘すれば、彼が対策を練るのを防げる上に、彼の情報網を秦国が逆に利用することもできます。
韓非子の情報網を利用できれば、秦国の六大将軍や昌平君が他の国や将軍たちの情報を全部入手できます。
そうなれば中華統一の仕事は簡単になり、念願の李牧を討ち取る日が一気に近づきます。
☆話題となる悪魔
秦国六大将軍の一人、桓騎将軍は既に趙国の李牧に殺されましたが、彼はいまだに話題の中心になる男です。
桓騎は多くの人物に影響を与えた男であり、全中華において最も有名な悪魔でもあります。
秦国の人間、将軍たちにとっても桓騎は人間ではなく、悪魔です。
桓騎は頭が狂っている悪魔であることは間違いないのですが、彼が悪であるかどうかは人によって違います。
桓騎の家族、砂鬼一家や野盗たちにとって桓騎は悪ではなく、桓騎は彼らの希望です。
桓騎がいなければ、砂鬼一家、オギコや他の野盗たちが戦乱の時代で生き残れる可能性は限りなく低いです。
桓騎が何度も話題の中心になったのはその残虐さやその才能ではなく、悪とは何なのかを考えさせることです。
キングダムの中にはいろいろなキャラクターが登場しましたが、それでも桓騎は非常に特別で、独自の魅力がある男です。
桓騎はすさまじい頭脳や才能を持っていますが、彼は世界を変えられるほどの力は持っていませんでした。
桓騎は全ての真実を見通せるほどの能力を持っていますが、その才能は戦乱の時代に役立たなかったです。
桓騎は確かに家族思いで愛情のある男ですが、彼は家族にも自分の全てを隠しています。
桓騎の残虐性は誰もが耳にしていますが、桓騎の様々な策略で盗賊たちは何度も、何度も救われたのに気づいた者は少ないです。
ほとんどの人にとって桓騎は最も邪悪な男ですが、戦争を起こしている権力者たち、戦争で名声を手に入れようとしている人たち、戦争に才能や力を使っている人たちは果たして善なのでしょうか。
☆李信と韓非子と火
人の本質という質問に対して、飛信隊の李信将軍は何の答えをも思いつけなかったのですが、秦国六大将軍の一人、騰将軍からアドバイスをもらった後、李信は一つの答えを思いつきました。
李信にとって人の本質は善ではなく、悪でもありません。
人の本質は火だと李信は思っています。
火というのはどんなことを意味しているのかはまだ判明されていませんが、この返答は李信らしいです。
亡くなっていた麃公将軍の影響を受けた李信にとって人が最も必要なのは火、意志です。
戦場において善や悪などは存在していません。
誰もが勝つために、生きるために戦場にいますので、目的を果たすために手段は選べられないのです。
ですが、意志という物は戦場に存在します。
そして人が持っている意志を李信やかつての麃公将軍はある程度見分けられます。
李信の答えに新鄭の本殿にいる人たちはほとんどが理解できないのですが、このような議論や思考こそ韓非子が求めている物です。
これから李信は自分の答えをうまく説明できるかどうかはわかりませんが、韓非子はもう李信の答えについて興味深々です。
李信がうまく思っていることを全部説明できれば、秦国の皆の目標が達成される可能性は高いです。
以上が今回の記事の内容でした、最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。