出典:原泰久(著)キングダム第770話
キングダムの中に登場する王賁はいろいろな戦場で活躍し続けている秦国の若き将軍の一人です。
飛信隊の李信や楽華隊の蒙恬将軍と同じく、玉鳳隊を率いている王賁も若い将軍でありながら誰もが信じられない功績をあげ続けていました。
どんな戦場でも積極的に参加していた結果、今の王賁は超有名な将軍であり、可愛い妻や子もいます。
今の王賁は誰もが羨ましがる生活を手に入れましたが、彼はまだまだ戦わなければなりません。
王賁がどれほどの功績を上げてたとしても、秦国の六大将軍の一人、王翦将軍はいまだに彼のことを受け入れていません。
作中において王賁は非常にクールな男ですが、それでも彼は父のことを大切に思っていて、父のことは何よりも重要です。
今も、これからも、王賁は王翦将軍に深く、深く関わっているキャラクターなので、今回は王賁について考察してみたいと思います。
☆秦国のために戦う若き将軍
現秦王、嬴政は中華統一の道に全ての力をいれています。
中華統一を達成するのは非常に難しいことで、この大きな願望を成し遂げるために、秦王は全ての将軍の力を借りなければなりません。
王賁は秦国を代表する若き将軍なので、秦王は当然彼の活躍を期待していました。
戦場で強者たちと戦うのはどれほど辛くて、厳しいことなのかを王賁は当然知っていますが、それでも彼は自分のために、秦王のために全てを出しています。
飛信隊の李信が平民を象徴している軍隊ならば、王賁や彼が率いている玉鳳隊は貴士族を象徴する軍隊です。
王賁は名門生まれですが、彼は家族の名声や力に頼らず、どんな時でも戦場の最前線で戦っていました。
父は秦国の六大将軍の一人ですが、王賁は父の名声や地位を利用せず、彼は酷い怪我を負っていても、戦場から離れることはありませんでした。
王賁の努力は報われていて、秦王を含めて、秦国の上層部は彼の実力を認めていますが、残念なことが一つありました。
ここまで頑張っていても、王賁の父、王翦将軍が彼に励んだことは一度もありませんでした。
秦王が王賁に注目していれば、王賁は何でも手に入れますが、父との関係に関して、さすがの秦王も何もできませんでした。
☆別の家族
王賁と彼の父、王翦将軍の関係は最悪だと言えますが、幸いなことに王賁には別の家族がいました。
それは王賁をずっと支えていた玉鳳隊のことです。
蒙恬の楽華隊と同じく、玉鳳隊も元々王賁や王賁に関わる人間たちで作った部隊なので、皆は非常に仲がいいです。
玉鳳隊は王翦将軍の部下で作った部隊ではなく、完全に王賁に関わる人間、王翦のことを知る人間たちで作られたので、皆は王翦ではなく、王賁に忠誠しています。
どんな状況でも、どんな時でも、玉鳳隊は王翦の味方ではなく、王賁の味方です。
これは他の部隊においては当たり前のことですが、王翦や王賁の場合、状況は少々違います。
例えば楽華隊、蒙恬が蒙武の息子であることは誰もが知っていることなので、蒙武軍の皆は蒙恬のことを尊敬していて、蒙恬はある程度蒙武を動かせます。
戦場において、親子同士がお互いの軍を動かし、調整するのはそれほど珍しいことではありません。
親子同士ならば、信頼できる部下をお互いに貸し出すこともあります。
実際、楽華隊で活躍している愛閃は元々蒙武の部下でした。
蒙武の配下で活躍している時、愛閃は蒙恬の性格に惹かれていて、いつか蒙恬と共に活躍したいと思ったから、蒙恬の楽華隊に入りました。
ですが、王賁が赤の他人である可能性が存在する以上、彼に対して忠誠心などを持つ必要がないので、王賁という人間は王翦軍にとってそれほど重要なものではないのです。
たとえ王賁に何かがあったとしても、王翦軍は何とも思わないのです。
そして王翦軍の皆は王賁のことを尊敬しないのです。
父や父の部下たちから何も得られない、これが王賁が直面していた現実でした。
とても辛いことですが、玉鳳隊の皆が本気で、いつでも王賁を支えていたから、王賁は問題なくここまで成長できました。
出典:原泰久(著)キングダム第770話
☆父との関係
キングダムの中に登場した親子において、王賁と彼の父、王翦将軍との関係は最悪です。
誰もがその実力を認めざる負えないほどの功績を王賁はあげ続けていましたが、それでも彼は父から一言ももらえませんでした。
傷ついていても修行したり、囲まれた父を必死で救ったり、持ち場を死守したり、重要な敵将を討ったり、王賁将軍はできることを全部で成し遂げましたが、それでも王翦将軍は見ていないフリをしていました。
王賁はクールな男なので、父のことに関して彼はいつも顔には出していませんが、実は父の一言を求めていました。
このことは王賁だけではなく、王賁の側近達や王翦の側近達も知っています。
王賁が頑張っていること、王賁が自分を求めていることを賢い王翦将軍は知っているはずですが、それでも知らないフリをしていました。
王賁は父に受け入れられるように必死で頑張っていましたが、それでも全部無視されました。
父との関係を修繕したいと王賁は強く思っていますが、王翦将軍が何を考えているのかは誰もがわからないので、全ての努力は無意味でした。
王賁が自分の期待を越えていないからなのか、王賁の血を疑っているのか、それとも別の原因で王賁を拒んでいるのか、この答えを知っているのは王翦将軍だけです。
☆過去の問題
王賁と王翦将軍の関係を複雑にしたのは名前が朱景という女性でした。
朱景は貴族の中の貴族、関家の姫で、才や美貌を持っている完璧な女性です。
朱景は多くの求婚を受けましたが、それでも彼女は王翦を選びました。
朱景と王翦が結婚した後、あの二人はこれから幸せな生活を過ごすはずですが、王賁が生まれる前に最低な噂が流れました。
それは王賁が王翦ではなく、別の男の子供だったという噂です。
最低な噂ですが、朱景は自分の身の潔白を証明する前に亡くなりました。
悲しいことですが、朱景は怒りで真実を伝えていなかったから、王賁と王翦はこの状態になりました。
妻が死んだ時でも真実を知られなかったので、王翦自身も苦しんでいます。
王翦は大きなダメージを受けましたが、王賁はそれ以上のダメージを受けています。
自分のことを証明できないから、王賁は自分のために怒る権利すらなかったのです。
優れた環境で育っていた朱景が繊細な心を持ち、信用されなかったことに怒るのは当然のことですが、彼女が事実を伝えなかったから、王翦と王賁はいまでも苦しんでいます。
そして王賁が実子であるかどうかを確認できないから、王賁や王翦の側近達は何も言えませんでした。
☆無視し続けている理由
王賁はいつでも父、王翦将軍との関係を修復したいと思っています。
これはすごく当たり前のことで、父との関係を改善したければ、王賁はまず父がどうして他人のふりをしていたのかを考えなければなりません。
王賁は実子ではないから、王翦将軍は彼から距離を取っていると思われますが、もし王翦が本当にそんなことを気にしているのなら、とっくに別の息子を産んだはずです。
昔も今も、王翦は地位や名声のある男なので、再婚して別の息子を作るのは簡単なことです。
もし同じ事件を恐れているのなら、王翦が王賁の継承権を剝奪すれば、王賁は何ももらえないので、彼を無視する必要はありません。
王翦がずっと他人のフリをしていた理由について別の可能性が考えられます。
それは王賁や王家の血筋を守るためです。
どんな時代でも、どんな国でも、国の反乱を企む者は許されません。
たとえ秦国の六大将軍の一人だとしても、国の反乱行動に失敗すれば、全族が処刑されます。
王翦がどうして新たな国を作りたいのかは判明されていませんが、もし王翦が何があっても反乱を起こしたいというのならば、先に王賁と縁を切るのが正しいです。
なぜなら王賁や彼の子が王家の血筋だからです。
もし王翦が反乱に失敗すれば、王賁や彼の子は間違いなく巻き込まれますが、王賁は実子ではない、赤の他人だと王翦が言いきれば、王賁や彼の子は死なずに済みます。
王翦と王賁の関係がどれほど悪いのかは誰もが知っていますので、万が一の時に、王賁や彼の子は助かります。
信じられないことですが、用心深い王翦ならばこのようなことをしてもおかしくありません。
☆関係を修復する方法
王賁は今も戦争に集中しているので、父との関係に力を入れる時間や余裕がなかったのです。
将であれば戦場で戦い続けるのは当然のことですが、王家のために、親子の未来のために、王賁は現状を変えなければなりません。
王翦との関係は修復できないように見えますが、それでも王賁が取れる方法はあります。
王翦が王賁を避けている理由によって使える方法は違いますが、秦王嬴政の力があれば、この二つの方法もうまく行きます。
もし王翦が本当に血縁の問題で王賁を避けているのなら、二人の血縁を検証すれば全ての問題は解決します。
古代にはDNA技術などは存在しませんが、秦王が全国の医者を集め、その医者たちに方法を考えさせれば、王翦と王賁の血縁を検証することは可能です。
もし王翦が反乱の問題で王賁を避けているのなら、秦王は王翦を藩王にすべきです。
王翦が反乱意志を持っている限り、秦王にとってもこれは大きな問題なので、即急に対応すべきです。
秦王が王翦を藩王にすれば、彼の反乱を抑える上に、秦王は王賁や彼らの家族に手を出す必要がないので、一石二鳥です。
以上が今回の記事の内容でした、最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。